【弱者を救うファイナンシャル・インクルージョンの可能性】 ~カウンセリングと融資を組み合わせた新サービスの提供で谷間の層に未来を~

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kitatama201611

「ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)」という言葉をご存知だろうか。所得や家庭環境、教育などの格差にかかわらず、あらゆる人達が金融サービスにアクセス出来るように支援を行うという概念だ。イギリス・アメリカなどではすでに研究が進んでおり、貧困や生活困窮者の抱える問題を金融の面から解決していくという点で政府も非常に注目を集めているが、日本では一部の研究者や金融の専門家以外にはまだ馴染みのない言葉だ。

例えばある人が融資・保険・貯蓄・クレジットなどの金融サービスの利用を検討する場合、所得が比較的高い層にいる人であればそれらのサービスを主体的に選択することが可能であろうし、また低所得や無所得の層にいる人であっても生活保護等の公的な制度による金融サービスを利用することは可能だ。しかしながら所得が比較的低く、かつ生活保護等の給付制度の対象からも外れてしまう層、いわゆる「谷間の層」にいる人の場合は通常の貸付制度等も利用出来ず、金融サービスからのサポートを受けることが出来ない。この「谷間の層」、つまり金融サービスから排除される可能性が高い層とは、「女性」、「子供・若者」、「高齢者」、「在日外国人」などであり、これらの人々は一般的に認識されづらく、金融面での適切なサポートを受けられていないのが現状だ。これらの層に必要とされる各種サービスの提供や支援を行うのがファイナンシャル・インクルージョンである。ファイナンシャル・インクルージョンプログラムには色々な方法があるが、その一つに生活困窮者の就労・生活支援とセットにした生活再建貸付があり、一部の生協などでは事業として実施しているところもある。こういった事業では貸付制度と相談事業がセットになっており、相談等が付随しない金銭の貸付だけではうまく機能せず、支援にならないという点が重要だ。貸金業界でも現在、カウンセリング的手法を業務に用いることを重要視している。個人の消費生活に広く浸透し、柔軟かつ迅速に対応するノウハウを培ってきた貸金業者にとって、このようなカウンセリングと融資業務の組み合わせは新たな金融サービスの革新となる可能性を秘めているように思う。

(北九魂(キタ タマ)11月掲載コラム)