金融リテラシーを身につけることの重要性 ~利用者により有用な金融サービスを提供していくために~

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きたたま201612

  前号では「ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)」という言葉を紹介した。所得や家庭環境、教育などの格差にかかわらず、あらゆる人達が金融サービスにアクセス出来るように支援を行うという概念であるが、先進国と言われる日本においても「女性」、「子供・若者」、「高齢者」、「在日外国人」などは「谷間の層」と呼ばれ、現状では金融面での適切なサポートを受けられていないことを前号で説明した。これらの方へのサポートとして幅広い金融サービスの提供が求められているが、たとえそれらが充実してきたとしても、そもそも商品内容などの意味が理解出来ていなければ、自分にとって適切な商品を選択することは難しいだろう。また、十分な金融知識がないことで投資詐欺被害に遭うかもしれない。このように金融の知識や判断力(「金融リテラシー」と言う)を身につけることはどの年代にも必要であり、金融に関する様々な啓蒙活動などを行っている「金融広報中央委員会」は、最低限身に付けるべき金融リテラシーを年齢層別に記した「金融リテラシー・マップ」というものを公表している。  このように世間では金融リテラシー及び金融教育の重要性が高まっているが、貸金業界のこれまでの歩みを振り返ってみると、残念ながら金融教育に目を向けたことはほとんど無かったように思う。消費者金融が貸付残高で最盛期であった10~15年前は、同時に自己破産件数も過去最高を記録した。もしこの当時、この事実を貸金業界として真摯に受け止め、金融教育の積極的な取り組みを業界全体で行っていたならば、真に「消費者」の為となる、新しい「金融」の在り方を示せていたのかもしれない。しかしその後、貸金業界が今日にいたるまでに辿った経緯は周知のとおりである。
今、利用者に求められている金融商品は融資や保険、投資など個別の商品とは限らない。むしろ今後はこれらの商品が本当に自分にふさわしいものかどうか、正しく判断できる「金融リテラシー」を身につける為の金融教育商品に着目することで、利用者の人生に寄り添った複合的、かつ発展的な金融サービスを提案できるようになるだろう。貸金業界に身を置くものとして、このようなサービスを先駆的に発信していきたいと思う。