ロビンソン・クルーソーは異邦人に無利子でモノを貸す??

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やっと読み終わった~。シルビオ・ゲゼル「自然的経済秩序」です↓

シルビオ・ゲゼル「自然的経済秩序」

A4のクリアフォルダに2冊分。そりゃ長いわぁ~

巨石貨幣 ⇒ ビットコイン ⇒ 地域通貨(ワット券) ⇒ あっちゃんこ ⇒ シルビオ・ゲゼル の流れで読み始めた「自然的経済秩序」(わかる人にはわかると思います(;^ω^))、内容は難しそうなのですが、実は非常にシンプルな構成でスッと内容が入ってきました。

簡単に、もうホントざっくりと言ってしまうと、「世の中の商品は全て時間とともに腐敗していくのに、お金だけが腐敗しないのは良くない。お金も時間の経過とともに価値を減少させることによって交換手段としての本当のお金の価値を取り戻せるのだ」ということなんだと、思います、多分。。。違ってたらスイマセン<m(__)m>

この本の中から、ぜひ紹介したい章があります。それは「なぜお金を借りるときに利子を付けなくてもOKなのか」ということを、ロビンソン・クルーソーの話を題材にして、対話形式で書いている部分です。

自由貨幣・金利・あるいは資本理論 ~この理論の試金石となるロビンソン・クルーソー物語~

とりあえず面白いので全文を転記して紹介しますね。

読んだ感想など聞かせていただけると嬉しいです☆

(※ちなみにこの本はすでに著作権が切れている為、内容の転記なども大丈夫ということを訳者が書かれていました ⇒ http://userpage.fu-berlin.de/~roehrigw/Hirota/Natuerliche-Wirtschaftsordnung-Japanisch.pdf

前置き:ここではできるだけ短くするために、普通はある経済的競争の影響のない形で融資前置き:ここではできるだけ短くするために、普通はある経済的競争の影響のない形で融資契約を説明しよう。融資契約に経済的競争要因がからんで、融資される側(異邦人)により多くの融資する側の人々(ロビンソン)が登場すると、ここで書かれているよりも融資される側にとって契約が非常に有利になることがある。2 つ目の前提は、両者が自由土地の原則を踏まえて契約するというものだが、それは争いや強奪が可能な状況のもとでこれが認識されていなければ、契約は成り立たないからだ。

ロビンソンは運河を建設し、今まで労働し続けてきた 3 年間の蓄積を持っていることとした。豚を屠殺し、肉を塩漬けにし、地面を掘った穴に小麦を入れて、それに慎重に土をかぶせた。
鹿皮をなめし服に加工し、木箱の中に入れてカギをかけ、虫に食われないようにスカンクの匂いをかけた。

つまり、彼はその後 3 年に向けてきちんと備えたのである。

ちょうど自分の「資本」が計画した事業に十分なものであるかについての最終的な計算をしていたときに、ロビンソンは誰かが近づいてくるのを目にした。

新来者は近づいてきて、ロビンソンに挨拶した。「私の船が沈没してしまったので、私はこの島に上陸しました。私が畑を開墾して、最初の収穫を上げるまで蓄えを貸して私を助けていただけませんか?」

このことばを聞いてすぐにロビンソンは、自分の蓄えから利息が取れるのではないか、また楽に金利生活ができるのではないかと思い、即座に彼はその申し出を受け入れた。

「助かります」と異邦人は答えた。「だがまず、私は金利を払う気がないことを断っておきます。金利を払うぐらいなら私は狩りや魚取りで生活したほうがましです。私は、金利を受け取ることも支払うこともしないことを信条としていますので」 ロビンソン「そりゃあすごい信条だな。だがどうしたわけで、お前が金利を払わないのに私が自分の蓄えのいくらかをお前に貸すと考えるんだ?」

異邦人「ロビンソンさん、利己心からですよ。しかるべきあなたの利益を考えれば、そうなりますよ。というのも、あなたはかなり得するからです」

ロビンソン「どこから来たのかは知らんが、まずそのことを私に説明してもらわねば。正直、金利なしで私の蓄えを貸したところでどんな得があるのか私にはわからんな」

異邦人「今から説明しましょう。私の説明に納得していただければ、あなたも無利子融資してくれるでしょうし、むしろ私に感謝するでしょう。まず、ご覧の通り私は裸ですので、服が要りますね。服の余りはありますか?」

ロビンソン「タンスに服は詰まっているが」

異邦人「ロビンソンさん。私はあなたをもっと賢いと思っていました。釘で閉じた木箱に鹿皮の服を 3 年間も入れておいたら、虫に食い荒らされるだけです。それに服にはいつも風を通して油を塗っておかないと、硬くパリパリになってしまいます」

ロビンソン「確かにそうだが、他にどうすればいいんだ。洋服ダンスに入れても変わらないだろう。かえってネズミにやられる」

異邦人「木箱にだってネズミは入ってきますよ。もうやられているんじゃないですか」

ロビンソン「その通りだ。だが、どうしようもないだろう」

異邦人「ネズミを前にして打つ手がないとは、本当によく考えたのですか。私がここでネズミや虫、泥棒や破損、ほこりやカビから守る方法を教えましょう。私に服を貸してもらえれば、あなたが必要なときに新しい服を作るとお約束しましょう。ロビンソンさんは貸したときど同じ新品の服を受け取ります。この服は新しいですから、あとでこの木箱から出す服よりもはるかにいいものですよ。おまけにスカンクの匂いもつけなくていいのです。これでいかがですか?」

ロビンソン「そういうことなら木箱の中にある服をお前に譲ろう。この場合、金利なしに服を貸しても確かに私の得になるわけだ 」

異邦人「今度は小麦を見せていただけませんか。パンや種まきをするのに要るもので」

ロビンソン「それならあっちの持った土の中に埋めてるよ」

異邦人「3 年間も小麦を地面の中に埋めるというのですか。カビや甲虫に食われてしまいますよ」

ロビンソン「もちろんそうだが、じゃどうしろというのか。いろいろ考えたが、これが最善策なのだ」

異邦人「ちょっとしゃがんでみてください。甲虫が地面を這っているのが見えますよね。ゴミはどうでしょう。ここにはカビも生えてますね。今すぐ小麦を取り出して、風に当てなければいけません」

ロビンソン「この資本は絶望的だ。数多くの自然の破壊力から守る術を知って入れば… 」

異邦人「ロビンソンさん、よい方法をお教えしましょう。乾燥した風通しのよい小屋を作り、そこのしっかりとした床の上に小麦を広げます。そして 3 週間ごとに注意深くシャベルで小麦全体をひっくり返して、風を通します。また、何匹かネコを飼ったり、ネズミ捕りのワナを作ったり、防災に気をつけて、毎年の減価率が 10%を超えないようにするのです」

ロビンソン「しかし、かなりの費用や労力がかかるんじゃないか」

異邦人「費用や労力を惜しんでいらっしゃいますよね。それでしたら、どうでしょう。あなたの蓄えを私に貸してもらえれば、きっちり同量の小麦を私の新鮮な収穫物で返しましょう。こうすれば、わざわざ倉庫小屋を作る手間も省けますし、小麦をひっくり返したり、ネコも飼ったりしなくていいですし、蓄えたものの品質が悪くなることもありませんし、古くなった穀物のかわりに新鮮でみずみずしいパンを食べられるようになります。いかがでしょう」

ロビンソン「それは願ったりかなったりだ」

異邦人「つまり、私に無利子で穀物を貸してくれるわけですね?」

ロビンソン「そうだ。利子を取らず、むしろ借りてくれたことに感謝しよう」

異邦人「けれども、私が使うのは一部だけです。全部は必要ないです」

ロビンソン「たとえば、小麦を 10 袋貸して 9 袋返してもらうという条件で、小麦を全部貸すのはどうだ? 」

異邦人「せっかくですが、この申し出は受けられません。というのが、私はプラスの利子だけでなく、マイナス利子も受け取れないからです。この場合、貸した人間ではなく借りた人間が資本家になります。けれども、私の信条では利子による商売が禁じられています。マイナス利子によるものも禁じられています。ですので、蓄えた小麦の管理や倉庫小屋の建設、他にも必要なものがあれば私に任せてもらうというのはどうでしょうか。そのかわりに、小麦 10 袋
あたり 2 袋を毎年賃金として支払ってくださいませんか」

ロビンソン「私にとっては、利息だろうが労働の対価だろうがどうでもいい。つまり、私がお前に 10 袋貸して、8 袋返してもらうということでいいんだな?」

異邦人「それから私は鋤や荷車など他のものも必要です。それについても無利息で貸してくれますか? 私は鋤も鎖も、おんなじ状態で全てを返すと約束します」

ロビンソン「ああ、もちろんいいとも。私にはやらなくてはならないことしか残っていない。最近、小川が氾濫して倉庫が水浸しになって泥だらけになってしまった。それから嵐で屋根が飛んでしまい、雨で全てがダメになった。今度は干ばつが来て、倉庫の中は風のために砂やほこりだらけだ。サビ、腐敗、破損、乾燥、日差しや暗闇、それに木を食うアリのために、私のやらなくてはならないことにはきりがない。まあ、ここには泥棒や放火魔がいないだけましではあるがな。借りてもらうことで、費用もかからず労せずしてあとでこれらを今と同じ状態で使うことができる」

異邦人「ようやく、無利子で私にあなたの蓄えを融通するメリットがおわかりになったようですね 」

ロビンソン「そうだ。だがそうすると、なぜあちらの私の故郷では蓄えを持つ者に利子が入ってくるのか不思議だ」

異邦人「その理由は、あちらでこのような取引を媒介しているお金にあるんです」

ロビンソン「どういうことだ? 金利の原因がお金にあるというのか? そんなはずはない。お金や金利について、マルクスはこう言ってるぞ。『労働力は金利の源泉である。資本に転じるお金の金利はお金に由来するものではない。お金が交換手段だというのが正しいのであれば、お金は購入する商品の価格を支払うためのものに過ぎない。そのままにしておいても、お金の価値は増えない。そのため、購入された商品に由来する剰余価値(金利)はより高く売られなければならない。この変化は売買時には起こらない。取引の際は等価物が交換されるためだ。そのため、仕入れと小売の間に、商品の使用価値が変わってくるという結論に達せざるを得ない』(資本論第 1 巻 6 章)」

異邦人「この島に来て、どれだけになりますか?」

ロビンソン「30 年になるが」

異邦人「やはりそうでしたか。まだ価値学説を信じているようですね。ですがロビンソンさん、この理論はすでにすたれた過去のものなのです。今や価値学説論者はいませんよ」

ロビンソン「何だと? マルクスの金利理論が過去のものだというのか。そんなことはない。誰も主張しなくても、私はこれにこだわるぞ」

異邦人「そうでしたら、言葉だけでなく行動もそれに合わせてください。あくまでもそうされるなら、私と対立することになりますね。たった今あった話も白紙です。あなたのここでの蓄えは、その本質的規定に従えば普通資本と呼ばれているものの最も純粋な形式です。私は、あなたの資本家としての立場にあえて挑戦します。私はあなたの持っているものが必要です。あなたの前に姿を現した私ほど裸一貫の労働者はいません。資本の所有者と資本を必要とする個人との関係が、これほど純粋にあらわになったことはないでしょう。取れるものなら私から利息を取ってみてください。もう一度、最初から取引をやり直しましょうか? 」

ロビンソン「わかった、私の負けだ。ネズミや虫、それにサビのために私は資本家としての力を失った。だが、金利についてお前はどう説明するんだ?」

異邦人「このことは簡単に説明できます。もしこの島に貨幣経済があって、遭難者として私が融資を必要としている場合、先ほどあなたが無利子で貸してくれたものを買うために、今度は金貸しのところに行かなければなりません。だが、金貸しはネズミや虫、サビ、火事そして屋根の損傷に悩まされることがないので、私はあなたに対して取ったような態度を取るわけにはいきません。商品の所有から切り離せない損失(たとえばあなたや私の鹿皮を犬が食いちぎったり)は、金貸しではなく商品を保管している人だけが受けるため、金貸しはそういったあらゆる心配と無縁です。あなたを打ち負かした議論でも影響を受けません。私が金利の支払いを拒否したら、あなたは鹿皮の服の木箱を開かないでしょう。しかし、資本の性質上、あなたは交渉を続けなければならなくなります。お金の資本家はそうではありません。もし私が金利を払わないと言ったら、彼は私の面前で金庫への戸を閉めてしまいます。ですが私にとって必要なのはお金そのものではなく、お金で買うつもりの鹿皮の服なのです。私に無利子で貸してくれた鹿皮の服にではなく、それを買うためのお金に私は金利を払わなければならないわけです」

ロビンソン「ということは、金利の原因はお金に求められるわけか? そして、マルクスは間違っているというわけか?さっきのところでマルクスは『本来の商業資本において《お金-商品-剰余金》、つまり高く売りさばくための仕入れが、最も純粋な形で現れる。他方、お金が流通する範囲の中ではその全体の動きが先行する。流通そのものからお金の資本への変化を説明することができないため、等価物が交換される限りでは商業資本も生まれないのだから、商品生産者たちの間に寄生虫的に割り込み流通業者のために生産者が売買する際に二重取りの形で生まれる余剰利益にその原因が求められなくてはならない。商業資本の利用が商品を生産する者たちからの一回限りのピンハネによって説明されないのであれば、それは一連の仲介行為に求められなくてはならない』(マルクス「資本論」第 6 版第 1 巻 127 ページ)とも言っておるぞ」

異邦人「これも完全に間違っています。彼は全経済の中枢神経ともいえるお金について間違ったために、全ての面で間違うことになったのです。彼はそのすべての弟子たちとともに自分たちの考察の範囲からお金の存在を排除する過ちを犯したのです」

ロビンソン「このことは私たちの融資の交渉を見ればはっきりする。マルクスにとってお金は単なる交換手段だが、単に『購入する商品の価格を支払う』以上のことをお金はしているようだ。金の借り手が利息の支払いを拒否すれば銀行家は彼らの面前で自分の金庫の扉を閉めることができ、商品(資本)の所有者がしなければならない管理の悩みからは無縁であり、商品に対して持っているお金の一貫した優位性にのみ感謝する。これこそが、問題の根源であるわけだ」

異邦人「ネズミや虫、それにサビにこれほど物事を明らかにする力があろうとは」