【個人のする借金は「少額短期借入」が原則】日本ファイナンス寄稿コラム

コラム

日本ファイナンスでは2013年から2018年までの5年間、九州地方発行のフリーペーパー「北九魂(旧キタキュウ.ビズ)」でコラムを掲載させて頂きました。

今回は2014年9月号掲載のコラムを再掲させていただきます。

(※公式YouTubeチャンネルにオーディオブック版を投稿しております。ぜひご覧ください。)

【オーディオブック版】

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 前号で「個人がする借金は絶対的に『負債』である」と書いた。このように書いたことで「やはり借金をすることは悪いことなのだ」と納得された方もいるかもしれないが、それは誤解である。もちろんだが、私はむやみに借金を奨励しない。それが「負債」である以上、借金をせずに済めばもちろんそれに越したことはない。
 しかし一方、借金をすることによって買うことのできるものもある。それは「時間」だ。話は変わるが、私たちの日常にとって冷蔵庫は、もはやなくてはならない生活必需品である。とくに夏の暑い盛りなどは、一日として冷蔵庫のお世話にならない日はないだろう。その冷蔵庫(例えば仮に5万円とする) がある日突然に動かなくなったとする。すぐに買い替えたいが手持ち資金に余裕はなく、給料が入ればすぐに同額程度のものを購入したいが、その給料日までまだ一週間ある・・・・・・。このような時、借金を上手に利用すれば一週間という「時間」を買うことができ、給料日が来る前に冷蔵庫が手に入る。
 そして、もしこの5万円を年利20%で借りたなら、1週間後に返済する総額は50,191円となり、その内の191円が一週間という時間の「値段」ということになるわけだ。
 この例のように、突発的な入用で、かつ短期間にだけ必要である時、借金がいかに便利で役に立つかということが解って貰えたと思う。前号で、個人のする借金は「少額短期借入」が原則であると書いたが、「今」の自分を評価して返済計画を立てるのならば、自ずとこの原則に沿った借金になるはずなのである。次号では二番目の作法、「実際に必要な金額だけを借りる」について解説していく。

(執筆者:松原剛)

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