なぜ、人は“借りすぎてしまう”のか──
今回はそんな“お金の無意識”に迫るショートコラムをお届けします。
日本ファイナンスでは2013年から2018年までの5年間、九州地方発行のフリーペーパー「北九魂(旧キタキュウ.ビズ)」でコラムを掲載させて頂きました。
今回は2014年10月号掲載のコラムを再掲させていただきます。
(※公式YouTubeチャンネルにオーディオブック版を投稿しております。ぜひご覧ください。)
【オーディオブック版】
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借金の作法。今回は二番目の作法である「実際に必要な金額だけを借りる」について解説したいと思う。読者の中には「必要な金額だけを借りる、そんなことは当たり前ではないか」と感じられた方もいるだろう。しかし借金をする人のほとんどが現実に「必要以上」の借金をしてしまう。なぜだろうか。
その理由の一つとして挙げられるのが、クレジットカードなどでよく知られる「利用限度額」の設定だ。利用限度額とは、実際に利用できる融資可能額のこと。仮に限度額が50万円のカードであれば、融資残高が50万円を超えない限り、何度でも繰り返し利用することができる。限度額の範囲内であればいつでも必要な時に、必要な金額だけ借りることが可能な上、返済方式がリボルビング払い(リボ払い)であれば利用回数にかかわらず、利用残高に応じた一定額を返済していくだけでよいので、急激な返済の負担増を心配する必要もない。確かに急な入用ができた時、限度額に余裕のあるカードが手元にあればすぐに現金を用意することができ、非常に便利で手軽に感じることだろう。しかしこの「いつでも使える」という安心感が皮肉にも不必要な借金を生む原因にもなっている。
クレジットカードの利用明細があれば手元に用意してほしい。そこに書かれているカード利用履歴を見たときに、本当にすべて「使わなければいけない」ものだったと断言できるだろうか。「衝動的、あるいは今すぐには必要ない買い物」や「別の支払いに充てる為の借金」などはなかっただろうか。利用限度額は「いつでも借りることができる」ものであって「今すぐ借りてしまわなければいけない」ものではない。限度額に余裕があるからと油断せず、「本当に必要な金額だけを借りる」ことを習慣にしよう。次号も引続き二番目の作法について解説していく。
(執筆者:松原剛)










